風呂の今昔 / 『江戸の風呂』今野信雄

10年以上前に何の気なしに江戸の庶民の生活をまとめた本を読んでから興味が出て、江戸時代の暮らしや文化をテーマにした書籍を集めては読むようになりました。

1989年に新潮社から出版されている『江戸の風呂』(今野信雄)は、タイトル通り江戸時代の風呂とそれにまつわる文化をまとめた書籍です。
風呂そのものの様式の変化からお風呂での喧嘩の事例、当時の湯屋の仕事の詳細まで、面白い情報が盛り沢山。
中でも興味深かったのは、江戸の湯道具、いわゆるバスグッズでした。

ぬか袋や毛切り石、手ぬぐい、楊枝(楊柳の枝を房状にしたもの。歯磨きに用いたそう)などは、今でいう石鹸、かみそり、タオル、歯ブラシにあたるもの。
名前や形は違えど、用途としては現代のそれらとあまり変わらないのが面白いですね。

お風呂につかりながら歯磨きをする習慣がある人がいますが、なんとそれも江戸時代から見られる風景だったそう。「時代が変わっても、変わらないものはあるんだな……」と、なんだか感慨深い気持ちになりました。